塵も積もれば・・・
たけぞうでございます。
私がバイトを始めて二ヶ月ぐらい経ったある日のこと。普通に、いつも通りにレジに立っていました。すると、子供が沢山本を抱えてレジに向かって歩いてくるじゃありませんか。金持ちだな~、とか思いつつ「ありがとうございまーす」と普通に対応。確か3000円くらいの買い物だったはずです(コミックの中に攻略本とか混ざっていた様な気がする)。「3000円(仮定)でございまーす」と普通に言ったら、子供は背中に背負っていたカバンをゴソゴソと漁りだしました。『早く財布出してね~、後ろ並んでるから~』とか思っていたら、ドン!とレジのところに貯金箱らしきものを勢いよく置いたのです。動物(何の動物かは忘れた)の姿をしていて、こちらを俯き加減で向いていました。
沈黙を保ちつつ、見つめあうこと数秒。「えっと、開けて良いのかな・・・?」と漸く恐る恐る聞いたところ、これまた勢いよく「うん」と頷きました(勢いがよかったのは頷きだけで、返事の方は残念なほどか細い声でした)。貯金箱という確証はなかったものの、それを手に取り後頭部を見たら、貯金箱の証とも言える長方形の穴が・・・開いていたのです。結構重かったのですが、そんなことは気にせず、動物の首を捻じ切ったら(蓋を開けたら)、小銭があふれ出てきたのです。その量は明らかに、お金投入口を越えていたでしょう。
とにかく急いでそれを数えなければならなくなりました。子供の後ろにはお客さんが並んでいましたし、まだまだ新米の私は、当然焦りました。すぐに他の店員を呼んだのですが、なかなか来ないのです(おそらく接客中)。1円玉とか5円玉とか10円玉とかを一生懸命、一枚一枚、馬鹿丁寧に数えました。100円玉を見つけた時は本当に嬉しかったです。
そんなこんなで数え終わったら、なんと、数百円足りなかったのです。子供にとっては悲劇と言えるのではないでしょうか・・・私にとってもある意味悲劇でした。『まさか、ここまで頑張って数えて買わずに帰るのか・・・?』という不安が全身を瞬く間に襲ったその直後、子供は店の奥のほうに走り去っていきました。そして戻ってきた時には、母親っぽい人が一緒に・・・その女性は、すみません~、とか言いながら、500円玉を出してきました。ひどく切なくなりました、私。他の店員結局来なかったし。
子供の気持ち、つまり頑張って貯金したお金で欲しいものを買いたい、という気持ちは分かりますが、出来れば両替してきて欲しい、と切に望んだとあるバイトの日の私でした。
後々コインカウンターなるものの存在を、知ってはいましたが、それの使いどころを教えてもらいました。もう少し早く言ってほしかったなぁ・・・否、私に応用力が不足していただけか。
頑張れ、私。





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